2022.10.26
在宅復帰の中間施設!介護老人保健施設の特徴や仕事のやりがいを紹介!
介護施設に転職を考えているけど、「介護老人保健施設」通称「老健」ってどんな施設なんだろう…。
名前を聞いたことはあるけど、似たような名前の施設が多くて混乱している方も多いでしょう。
今回は老健の特徴や基礎知識、老健で働くうえでのやりがいなどをご紹介していきます。
最後まで見ていただければ老健の全体像が把握できる内容になっています!
では解説していきましょう。
老健を知る前に・・・
入院日数を減らそうとしている国の意志とは反して、高齢化がどんどん進んでいる今の日本。
高齢化が進むと同時に、治療や入院を必要とする方も増えています。
病院に入院できる人数は決まっている中で、入院が必要となる方の割合が増えていくとどうなるでしょうか?
患者さんは余儀なく退院をさせられ、不安な生活を送りながらリハビリを通院で行います。
このように患者さんの身体や心の準備が不十分な状態で退院してしまうと、おのずと再入院になる可能性も高まりますよね。
歩くことを怖がる、上手く服を着ることができずに外へ出かけることができない。
そうなることで筋力も低下して転倒に繋がったり、外とのつながりがなくなって引きこもりになってしまいます。
このような悪循環が生まれてしますのです。
転倒や引きこもりはほんの一例にしかすぎません。
介護老人保健施設(老健)とは?
上記のような悪循環になるのを防ぐために、介護老人保健施設(老健)は自宅と病院の中間施設(橋渡し役)として重要な役割を担っています。
病院を退院後に老健へ入所し、自宅へ戻る環境が整うまでのあいだ(だいたい3~6カ月まで)の生活を送ります。
老健に入所している期間にしっかりとリハビリをして身体の状態を整え、心の準備をすることで再入院を予防することができるのです。
老健は介護保険施設の一つになりますので介護保険の適応となります。
詳しい特徴や入居できる条件は次の章で解説していきます。
入居できる条件
介護老人保健施設の入居条件は、
- 要介護1以上の認定がおりている
- 長期治療を必要としない
- 伝染性の感染症がない
などがあります。
施設ごとに決められた条件をもとに、入所できるかどうかが決まります。
要介護1以上という条件は基本的にどの施設でも同じですが、他の項目については各施設の方針によって違いが出てきますので確認が必要です。
どのような利用者を受け入れているかを確認してみると、その施設の特徴がよくわかります。
老健の特徴
老健の一番の特徴は、介護施設でありながらも医療が充実しているところです。
特養は利用者100人に対して看護職3人、介護職31人、医師が非常勤1人と決められていますが、老健の場合利用者100人に対して看護職9人、介護職25人、リハビリ職1人、医師(常勤)1人を置くことが法律で決められています。
看護職のスタッフが多く、医師やリハビリ職も常勤で設置が義務付けられており、医療と介護の割合が約半々になります。
長期治療は必要としないけど、自宅では医療面が心配という方に最適な施設となっています。
つまり、介護職員は医療面での知識も持ち合わせていないといけません。
申し送りや看護師との会話で、医療用語の意味が分からないと話についていけませんので日々学習していく必要があります。
利用者の特徴
前項でも少し説明しましたが、老健に入所される方は医療のサポートが必要な方が多く入所しています。
目標は在宅復帰ですので、医療のサポートやリハビリを受けながら在宅復帰を目指しています。
また、6カ月を目安に退所するので利用者の入れ替わりが多いのも特徴です。
職場環境としては医療法人が母体で経営しているところが多いので、他の施設に比べ待遇面や福利厚生が整っている傾向があります。
しっかり稼ぎたい方にとっては老健はオススメの職場になります。
老健スタッフのやりがい
次に老健でのやりがいをご紹介します。
特養やグループホームの入所者の方や慢性期病院の患者の方は、今より状態がよくなることは少ないのが現実です。
一方で老健に入所されている方は、リハビリをすると回復していく様子が目に見えて分かることがあります。
- 立っているのがやっとの利用者さんが、10m歩けるようになったとき
- 食事介助が必要だったのに、自分で完食できるようになったとき
- 排泄介助が必要だったけど、ズボンの上げ下げが自分でできるようになったとき
いろんな場面でその方の回復具合を見ることができます。
また在宅復帰が目標のため、入所者の方のモチベーションも維持されやすいです。
リハビリで回復していく姿や自信をつけていく姿を見ていると、その方が退所されるときには感動することでしょう。
またチームでケアをしていくため、目標の在宅復帰ができたとき、チームとしての達成感も感じることができます。
この成功体験が他の職種の理解に繋がったり、今後の連携に役立つことになります。
いろんな職種と関わることができるのも魅力の一つですよね。
こんな人は老健に向いてます!
最後に、老健で働くのに向いている人はどんな方なのかを見ていきましょう。
ゴールが見える仕事がしたい人
医療や介護はなかなかゴールが決められません。
しかし老健は「在宅復帰」という目標が明確になります。
そのためやりがいも感じやすく、専門職として何をしていく必要があるのかがわかりやすいです。
入所者の回復を見届けることができて、やりがいを感じ、次の入所者さんへさらにいいモチベーションでケアをおこなうことができるでしょう。
いろんな専門職と連携しながら仕事がしたい人
老健には医師や看護師、理学療法士などのセラピスト、介護職員、相談員などがチームとなって生活を支えています。
また退院間近になると居宅のケアマネジャーや転所先の方など外部の方とも関わる機会があります。
さまざまな職種と仕事をすることで、自分にはない視点で物事を見ることができます。
そして自身のスキルアップにつなげることもできます。
しっかり稼ぎたい人
老健は医療法人や社会福祉法人が運営しているので、福利厚生や待遇面が充実している事業所が多いので収入アップが見込めます。
また、先に説明したように様々な専門職のスタッフと一緒に仕事をするので、新たな資格取得を目指し、キャリアアップを目指すきっかけにもなるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
介護老人保健施設で働くには介護知識だけでなく、医療知識やリハビリ知識を身に付ける必要があります。
その為業務の中では大変なことも多いですが、入所者の方の在宅復帰が実現できた時はやりがいや達成感を感じられるのも事実です。
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